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せっかくママ振があるならば、費用を抑える意味でも、親子の絆を深める意味でも、ぜひ前撮りや成人式で利用したいですね。でも、そうとは言ってもママ振は何十年も前に買った振袖。ところどころに不具合が起こっていたり、デザインが古くなっていたり、そもそもサイズが合わなかったりするかもしれません。リメイクせずにそのまま使えることは、ほとんどないでしょう。ここでは、ママ振で成人式を迎える人に向け、ママ振のリメイクの流れを具体的にご紹介します。
リメイクにも対応しているお店に振袖を持参し、まずは状態をチェックしてもらうところから始まります。
まずはプロの着物診断士が、振袖の状態をチェック。素人の目にはつかないところまで、こまかくチェックします。
主にチェックしているポイントは4つ。1つ目がシミや汚れの有無、2つ目がシワの状態、3つ目がサイズ、4つ目が色の状態です。それぞれの項目に問題が見つかった場合、どのような方法で解決を図るかを具体的に検討します。
極端なシミや汚れは、普通の丸洗いだけでは落ちないかもしれません。丸洗いとは別に、専門のシミ取り職人が、特殊な薬剤を用いてシミ抜きや汚れ落としを行います。
薬剤で汚れが落ちない場合には、工芸的な手法(シミの上に花を描く、など)が用いられることもあります。
何十年もタンスの中に保管していた振袖の場合、全体的に、目には見えないカビに覆われていることがあります。防虫剤の臭いが染みついていることもあるでしょう。これらを除去して快適に振袖を着られるよう、着物を丸洗いします。
丸洗いをすることで、ややきつめについたシワなどが解消されることもあります。
お母さまとお嬢さまに身長差がある場合には、サイズ直しをします。サイズ直しをする場合、大きな振袖を小さくリメイクすることは、特に問題ありません。ただし、逆に小さな振袖を大きくリメイクすることは、やや難しいと言えます。
お嬢さまがお母さまより体格が大きい場合には、まずは振袖の生地に余裕があるかどうかなどを確認し、大きくリメイクできるかどうかを判断します。大きくリメイクすることができない場合には、類似の生地を調達するなどしてリメイクするしかありません。
紫外線などの影響により、振袖が色焼けを起こしていることがあります。濃くて鮮やかな色の部分に色焼けが生じていると、全体的に古臭いような印象になるので、リメイクして確実に色焼けを解消しておかなければなりません。色焼けについては、工芸的な手法を用いることで、特に問題なく改善させることができるので安心しましょう。
なお、全体的にプレーンな感じの色合いの振袖を、下から上へとグラデーションを効かせたかのような色合いの振袖に変えることも可能。色の使い方を変えれば、振袖の印象を変えないまま今風の印象に仕上げることができます。
少しリメイクするだけでも、お母さまの時代を感じさせない素敵な印象の振袖に変えることができます。それに加えて振袖以外の細部を工夫すれば、いっそう今風の印象に仕上がることでしょう。
たとえば、帯と襟元をチェンジするだけでも、ダンゼン今風の印象に変わります。バッグや草履、帯締めなどもポイントですね。ヘアメイクと髪飾りを変えるだけでも、まったく印象が違ってきますよ。
以上、ママ振のリメイクの流れを具体的に見てみました。
振袖のレンタルをメインでやっている衣裳屋さんでも、振袖の購入をメインでやっている衣裳屋さんでも、ほとんどのお店でママ振のリメイクに対応しています。ママ振を使う予定の方は、まずはお店のHPなどをチェックして、リメイクのサービスがあるかどうかを確認してみくださいね。HPに記載がなければ、直接お店に問い合わせてみてください。
最初は「お母さんの振袖なんて、デザインとか色とかが古臭くて嫌だ」と感じるかもしれませんが、実際に衣裳屋さんに持ち込んでリメイクの相談をしてみると、今でも十分に通用するようなオシャレな振袖に生まれ変わるもの。ヘアメイクや髪飾りも工夫すれば、しっかりと今風の全体像になります。
ママ振をお持ちの方は、ぜひ一度、衣裳屋さんにリメイクの相談に行ってみましょう。
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